【獣医師解説】知人の猫が亡くなった時、お悔やみのお花は何を贈る?選び方のマナーと注意点
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知人や友人の愛猫が亡くなったという知らせを受けた時。 「何かしてあげたいけれど、言葉が見つからない」 「せめて、お花だけでも贈って慰めたい」 そう思うのは自然なことです。
人間のお葬式には決まったマナーがありますが、ペットのお悔やみに関しては明確なルールがなく、逆に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。 実は、猫ちゃんへのお悔やみ花を贈る際、「絶対に気をつけてほしいこと」がひとつだけあります。
今回は、悲しみの最中にある飼い主さんの負担にならず、心に寄り添うお花の選び方について解説します。
おうちにいる猫たちへの配慮
もし、そのお宅にまだ他の猫たちがいる場合(多頭飼い)、お花選びには細心の注意が必要です。
人間のお悔やみの花といえば「白いユリ(百合)」が定番ですが、これまで何度もお伝えしてきた通り、ユリは猫にとって猛毒です。 飼い主さんは悲しみの中にいます。そんな時に、誤って危険な花を贈ってしまい、残された猫ちゃんが体調を崩すようなことがあってはなりません。
「お悔やみ用のおまかせ」で注文すると、良かれと思ってユリを入れられてしまうことが多々あります。 「ユリは入れないでください」と伝えるか、そもそも猫に安全な花だけを扱っているお店を選ぶのが、飼い主さんへの一番の思いやりです。
どんなお花が喜ばれる?(仏壇・祭壇用)
最近は、お骨の周りにお気に入りのおやつや写真を飾って、小さなお仏壇(メモリアルスペース)を作られる方が多いです。 そうしたスペースに飾るのに適したお花選びのポイントをご紹介します
1. そのまま飾れる「アレンジメント」がおすすめ
花瓶が必要な「花束」よりも、カゴや器に入った「アレンジメント」がおすすめです。 飼い主さんは深い悲しみで気力が落ちていることも多いため、水切りや花瓶の用意をする手間がなく、届いてすぐに飾れるスタイルの方が負担をかけません。
2. 色は「白」に限らなくて大丈夫
人間のお悔やみは「白上がり(白一色)」が基本ですが、ペットの場合はそこまで厳密ではありません。 もちろん白も素敵ですが、 優しい色合いを混ぜてあげると、温かみがあり、飼い主さんの心も少し和らぎます。
3. サイズは「コンパクト」に
猫用の仏壇スペースは、人間用ほど大きくありません。 あまりに大きすぎるお花は置く場所に困ってしまうことがあります。お写真の横にそっと添えられるくらいの、コンパクトなサイズ感が喜ばれます。
ネコハナのお悔やみ花
私たちネコハナでは、お別れの場面に寄り添うフラワーギフトもご用意しています。
獣医師として、「残された猫たちの安全」を第一に考え、危険な植物は一切使用していません。 また、飼い主さんの悲しみが少しでも癒えるよう、寂しすぎず、優しく温かい色合いのアレンジメントをお作りしています。
大切な家族を亡くされた飼い主さんに、言葉の代わりに、安心できるお花を。 あなたの優しい気持ちを届けるお手伝いをさせてください。
▶ネコハナのお悔みアレンジメントポット
「猫に安心なお花」で、彩りある暮らしを
猫と暮らすみなさんが、「危険な植物を理解し、避ける」ことももちろん大事ですが、この情報は日々アップデートされますし、一人で勉強し続けるのはなかなか難しいのではと思います。そんな時はぜひ、ネコハナをご利用ください。

「猫が大好きでお花が飾れなくなってしまった…」そんな猫と暮らす方の声から生まれたのがネコハナです。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)の毒性リストをもとに、猫に毒性のないとされる花品種のみを無農薬~低農薬で栽培し、契約農家から直送しています。
私たちのミッションは、猫と暮らす皆さんがストレスなく、持続可能な方法で猫にとって快適かつ安全な生活空間をつくれるようサポートすることです。
この記事を書いたのは…
庄野 舞
株式会社ネコハナ 代表取締役・獣医師
東京大学農学部獣医学科卒業後、同大学附属動物医療センターで内科系研修医として勤務。その後ペットフードメーカーに転籍し、予防医療とヘルスケア事業を学ぶ。大きな猫がとりわけ大好きで、小さなころからメインクーンと暮らしている。