【獣医師解説】なぜ猫は花や葉っぱを食べるの?4つの理由と、やめさせるための対策
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せっかく綺麗なお花を飾ったのに、猫ちゃんに葉っぱをかじられてボロボロに…なんて経験はありませんか? 「やめて~」と言っても、なかなか伝わらなくて困ってしまいますよね。
ネコハナ代表で、獣医師の庄野と申します。
そもそも、肉食動物である猫が、なぜわざわざ植物を食べるのでしょうか? 実はそこには、猫なりの「本能」や「身体的な理由」が隠されています。
今回は、猫がお花や植物を食べてしまう4つの理由と、お花を守るための具体的な対策について解説します。
猫がお花を食べる4つの理由
理由1:胃の中をスッキリさせたい(毛玉対策)
これが最も多い理由の一つです。 猫はグルーミング(毛づくろい)で飲み込んだ毛を体外に出すために、イネ科などの尖った葉っぱを食べて胃を刺激し、嘔吐を誘発しようとする本能があります。 お花に添えられている細長い葉っぱ(グリーン)を好んで噛む場合は、この理由が考えられます。
理由2:ゆらゆら揺れて「おもちゃ」に見える
猫の目は動くものに敏感です。エアコンの風で葉っぱが揺れていたり、猫じゃらしのような形状の花があったりすると、狩猟本能が刺激されて「獲物」として認識してしまいます。 この場合、食べるというよりは「噛みちぎって遊ぶ」ことが目的です。
理由3:食感や歯ごたえを楽しんでいる
シャキシャキした歯ごたえや、噛んだ時の感触が気に入って、嗜好品(おやつ)感覚で噛んでしまう子もいます。特に若い猫や好奇心旺盛な性格の子に多く見られます。
理由4:暇つぶし・ストレス発散
お留守番が長かったり、遊ぶ時間が足りていなかったりすると、退屈しのぎに植物をいたずらすることがあります。 「これを噛むと飼い主さんがこっちを向いてくれる(構ってくれる)」と学習してしまい、わざと目の前で噛むケースもあります。
今日からできる!いたずら防止対策
理由がわかったところで、やめさせるための対策をいくつかご紹介します。
対策1:物理的に届かない場所に置く
猫のジャンプ力は侮れませんが、足場のない壁掛け(ハンギング)や、ガラス戸のある棚の中などに飾れば物理的に手出しできません。 また、床に置くよりも、周囲に家具がない背の高い台の上に置くなどの工夫も有効です。
対策2:猫草(代用品)を用意する
「草を噛みたい欲求」が強い子には、猫専用の「猫草(エン麦など)」を用意してあげましょう。 「こっちの草は噛んでいいけど、あっちのお花はダメ」と区別させることで、お花への被害が減ることがあります。
対策3:運動不足を解消する
退屈で噛んでいる場合は、猫じゃらしなどでしっかり遊んであげることで、植物への興味が薄れることがあります。狩猟本能を満たしてあげましょう。
対策4:万が一食べても「安全性が高い花」を選ぶ
いくら対策をしても、猫の執念が勝ってしまうこともあります。 そんな時に一番怖いのは、「かじった花が毒だった」という事態です。
しつけや対策を頑張ることも大切ですが、「もし食べられてしまっても、命に関わらない花を選ぶ」というのが、獣医師として最も推奨したい安全策です。
「猫に安心なお花」で、彩りある暮らしを
猫と暮らすみなさんが、「危険な植物を理解し、避ける」ことももちろん大事ですが、この情報は日々アップデートされますし、一人で勉強し続けるのはなかなか難しいのではと思います。そんな時はぜひ、ネコハナをご利用ください。

「猫が大好きでお花が飾れなくなってしまった…」そんな猫と暮らす方の声から生まれたのがネコハナです。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)の毒性リストをもとに、猫に毒性のないとされる花品種のみを無農薬~低農薬で栽培し、契約農家から直送しています。
私たちのミッションは、猫と暮らす皆さんがストレスなく、持続可能な方法で猫にとって快適かつ安全な生活空間をつくれるようサポートすることです。
この記事を書いたのは…
庄野 舞
株式会社ネコハナ 代表取締役・獣医師
東京大学農学部獣医学科卒業後、同大学附属動物医療センターで内科系研修医として勤務。その後ペットフードメーカーに転籍し、予防医療とヘルスケア事業を学ぶ。大きな猫がとりわけ大好きで、小さなころからメインクーンと暮らしている。